「でもさ、そんな逃げたことに罪悪感抱かなくてもいいんじゃない?そりゃあ、何でもかんでも逃げるのはよくないよ。でも、終わったことでくよくよするよりも、逃げた価値を見つけた方が、私はいいと思う」
ひまわり畑に着く。どこまでも広がっていく、膨大な数のひまわり。
平和に優しく揺れているその姿を見ると、なんだかこっちまでほっこりしてしまう。
向日葵にも、このひまわり畑を見せてやりたいな、と思ったが、当然口に出せるわけがない。
「今日も、この前の場所に行くのか?」
「ううん。今回はもっと豪華なところだよ。こっち」
向日葵が、この前はまっすぐ行ったところを左に行く。
どこに行くのだろうと、少し好奇心を抱きながら、俺は向日葵について行った。
しばらく歩いていると、ある建物が見えてくる。ひまわり畑のど真ん中に、意味ありげに立っている建物。
しかし、目がいい方ではない俺は、一体どういう建物なのか分からなかった。
でも、向日葵は確実にその建物に向かっている。証拠に、建物がずんずんと近くなってくるから。
そして、とうとう目の前に着いた。
「わぁ…」
感嘆の声が漏れた。この前の、ひまわり畑のベンチなんかよりも、何十倍も驚き、感動してしまう。