あまりの人懐っこさや笑い方に、さすが親子だなと、思わず感激してしまう。

向日葵は横で、ニヤニヤしながら「だから言ったでしょ?」と、何か勝ち誇ったように呟いていた。
 

中に入ると、やっぱり外から見ても分かるように大きく、天井には、ダイヤのようなシャンデリアがついていたりと、思わず息を飲む。
 

そのままリビングに通されると、また天井にはシャンデリアがあり、これでもかと大きなキッチンに、映画用と同じくらい大きいテレビが、ソファの前に置かれている。
 

すごいな、ここ。向日葵って、ほんと何者なの?
 

そう笑って向日葵に聞こうとした瞬間、俺はテレビの横にあるものを見て、口を開いた。
 

テレビの横には、立派な仏壇が置いてある。そして真ん中には、花と見知らぬ男の人の写真が飾られていた。
 

見知らぬ男の人でも、たいてい予想はつく。
 

「…この人って?」
 俺は、仏壇に近づくと向日葵に問いかけた。目は見えないが、向日葵も質問の意味は分かったらしい。
 

その証拠に、少し小さく笑いながら、白杖をつきながら仏壇の方に行く。俺も、後からついて行った。
 

向日葵は、目の前に着くと杖を置いて、静かに正座をしながら手を合わせる。
 

「…私のお父さんだよ」
 

やっぱり、と心の中で呟いた。