二人も横で、頷いた。
そっか。交流ないんだ…。
向日葵のピアノってすごいいいし、てっきり皆知ってるかと思ってたんだけどな…。
「んで、その人がどうしたの?」
水田が、お茶を飲みながら、俺の話の先を促す。
「いや。すごい楽しそうにピアノを弾く子でさ。ほら、昨日ちょっと話した子だよ。天真爛漫で、面白くて、盲目なのに明るくて」
「ああ。そういえば、昨日そんな話してたな」
「和仁が彼女いないって、嘆いたときね」
「うっせよ!」
黒西と伊藤は、そんなやりとりをして、お互い笑いあっていた。
そういえば、昨日、俺も向日葵と笑いあったんだっけ。
ちょっとは、あれで向日葵に近づけたかな、と自分勝手なことを思ってしまう。
「俺は、自分が変われたって自覚はないけど、もしも変われてるんだったら、それは向日葵のおかげで、変われたんじゃないかな…」
すると、伊藤が頭をドスンと叩いた。