俺は、窓の外を見つめた。雲一つない、澄んだ青空が広がっている。
「…なんか、また空川は変わったね」
水田の言葉に、俺ははっとした。
三人に視線をもどすと、俺を食い入れるように見つめる、三人の強い瞳が一番最初に目に映った。
「変わったって…。なにが?」
「いや、なんかすごい変わった。だよね?」
黒西が、水田と伊藤に意見を求めると、二人とも何回も縦に頷いた。
「うん。なんか、ほんと変わった」
水田の言葉に、俺は口元を緩めた。
「たぶん、向日葵のおかげだと思うな…」
心の中で言うつもりだった言葉が、声に出てしまった。慌てて、口元を押さえる。
「は?誰だよ、向日葵って?」
え?伊藤、向日葵の事、知らないのか…?
「木下向日葵さんって、知らない?特別クラスに通ってる子なんだけど」
「知らない知らない。特別クラスの人たちと、交流ってほとんどないし」