「あ……そうだ。このシーグラス、本当に貰ってもいいの?」

「え……? あ、うん……もちろん」

「ありがとう。そしたら、このシーグラスはお守りにするね」

「お守り……?」


手の中のシーグラス。小さく光る蒼い光は、不思議とさっきよりも綺麗に見えた。


「……うん。今日みたいに落ち込むことがあったら、このシーグラスを見てユウリくんの言葉を思い出すね。そしたらきっとまた、元気になれる気がするから」


だからもう大丈夫だよ!という意味を込めてガッツポーズを作ると、何故かユウリくんはまた、口元を抑えて顔を赤く染めあげた。

『完璧に磨かれた宝石よりも、俺はこっちのありのままで綺麗なシーグラスのほうが好き』

今日、ユウリくんから貰った言葉は、私の宝物になるだろう。

きっとこれを見るたびに──私は宝物みたいな今日を、思い出すに違いない。