「っていうか、妹ちゃん、愛美に全然似てなくない!?」


やっぱり……と心の中で思うことすら、慣れている。


「ほんとだ! 姉妹なのに、全然似てないね〜」


すべて、子供の頃から嫌というほど聞いてきた言葉だった。

誰から見ても美少女のお姉ちゃんと、平凡な見た目の私。

私自身も、お姉ちゃんと自分はまるで似ていないと思うんだから、周りが同じように思うのも当然だ。


「あはは……よく言われます」

「やっぱりー? まぁでも、愛美みたいに可愛い子なんて早々いないもんねぇ」

「そうそう、姉妹でも似てないとか普通にいるし、大丈夫大丈夫」


大丈夫って……何が大丈夫なんだろう。

だけど、あはは、と笑うお姉ちゃんの友達たちに、悪気がないこともわかっていた。

似てないから似てないと言っただけで、事実、似ていないのだから仕方がない。

逆に似てると言われる方が違和感があるし、そんなことを言われたところで自分が虚しくなるだけだ。


「ありがとう、ございます。ほんと似てなくて……ビックリですよね?」


苦笑いだと気付かれないように精一杯笑みを浮かべれば、胸の奥がズキリと痛んだ。

そう……ただ、お姉ちゃんが人より何倍も特別に可愛いというだけで、私が悪いわけでもない。

お姉ちゃんが、誰が見てもフワフワした天使みたいで、思わず守ってあげたくなるような女の子っていうだけで……。

決して、誰かに非があるわけではないんだ。