「え……?」

「やっぱり美織だ。ここで何してるの?」


弾かれたように振り向くと、そこにはお姉ちゃんと、お姉ちゃんの友達らしき女の子三人が立っていた。


「お姉ちゃんこそ、なんで……」


言いかけて、言葉を止める。

なんでも何もない。服屋さんにいるんだから、当然、服を見に来たに決まっている。

制服姿だから、私と同じように学校帰りに友達と寄り道をしたんだろう。

その証拠に、お姉ちゃんの友達たちも、お姉ちゃんと同じ学校の制服を着ていた。


「お姉ちゃんは、みんなと買い物に来たんだよ」

「えー、もしかして愛美(まなみ)の妹?」

「うん、そう。一つ下の妹の、美織」

「えー、すごーい! 超偶然じゃん!」


お姉ちゃんの答えに声を弾ませた友達たちとお姉ちゃんは、すぐに私の近くまでやってきた。

その間、私はまるで地面から生えてきた手に足首を掴まれたみたいに、動くことができなくて……。

それは多分、これまでの経験から、このあと彼女たちに何を言われるのかも、容易に想像がついてしまったことが原因だ。