高校に入って2度目の梅雨で、毎日が雨模様だった。私は図書委員で当番の日は最後まで学校にいた。
「今日は雨がひどいから早く帰りなさい。」
先生に言われるまま、私は外に出た。
「あっ、春日水人だ。」
私は思わず呼んでしまった。
でも、春日は気づいてなくて、雨の中傘もささずに空を見つめていた。
その姿がなんだか悲しそうで、本当に泣いているみたいだった。
「知ってる?雨ってね、天使のおしっこなんだって。」
私は春日に傘を渡した。
「なんちゃって。風邪ひくよ、春日くん。じゃあね。」
私は雨に濡れながら走って帰った。