「流星さんっ、ドアをあんなに叩いたら…」
「ただいま、七海」
ドクンー…
勢いよく開けた玄関のドアの外にいたのは、もちろん流星。
その流星に向かって文句を言おうとしてたが、気が緩んだ。
「朝飯食おうぜ」
流星が満面の笑みで、玄関の外に立っていたからだ。
「あ…」
何故か満面の笑みの流星に、拍子抜けしてしまい言葉が出ない。
私は文句を言おうと思っていたのに…
てか、その前に…
朝ごはんを一緒に家で食べるなんて、私は許可していない。
けど、そんな嬉しそうな顔をされると…
何も言えなくなってしまう。
「まだ、寝ぼけてんのか?」
「!」
流星が顔の目の前で、ブンブンと手を振った。
「ね…寝ぼけてないですっ」
びっくりはしたけど!
「あっそう。ま、腹減ったから飯食うか」
そう言うと流星は、七海の横を通りすぎ部屋の中に入って行く。
「ちょっ、勝手に入らないで下さいっ」
「昨日約束しただろ?朝飯食うって」
「約束してないしっ!」
ずかずかと、部屋の奥へと行く流星の後を慌てて追う。