「七海」

「!」


流星との関係性を考えていると、ピタリと前を歩く流星の足が止まった。


「だから、何を買うんだよ?」

眉間にシワを寄せ、少し不機嫌そうな流星が後ろを振り返った。



…怒ってる?

「もう店内、3周はしたぞ!?一体、何を買うんだよ!?」

さ…3周!?
いつの間に…でも、店内にいる人達は喜んでるからいいんじゃー…


「時間ないんだよ。早く言え」


流星が、右腕につけている腕時計を見ながら言った。


「時間ないなら…」

帰ればいいんじゃー…

と、言おうとしたけど…

「早く言え」

「…はい」


すごい形相で睨まれ、大人しく返事をした。



何で、偉そうなの?
てか、怖いんですけど。


そう思いながらも、今度は流星の手を引っ張り店内を歩き出す。




そしてパンコーナーの前に立つと、6枚切りの食パンを一つ手に取った。


コンビニだから値段高いけど、しょうがないか…
流星さん不機嫌だし。




「…それだけでいいのか?」

食パンを手に持ち、レジに向かおうとしていたのを止めらた。


それだけでいいのかって…急いでるんでしょ?


何言ってんの?この人…という目で後ろを振り返ると、流星の手には食パンを4つも持っていた。




「…え?」



目を見開き、流星と食パンを交互に見る。