目を大きく見開いて流星を見ると、自分で言った言葉で照れているのか流星の頬は赤く、顔はそっぽを向いて目を合わせようとしない。


「…」

何で赤くなるの?
てか、自分が言った言葉で何で照れるの?


流星の発言や行動に、もう言葉が出ない。



「あ、運転手さん。そこのコンビニ寄って下さい」

「!」

「はい」


そっぽを向いて窓の外を見ていた流星が、タクシーの運転手に向かってそう言った。


…コンビニ?



何故?と首を傾げていると、流星はいつもの表情に戻りこっちを向いた。



「買い物するんだろ?」

「…え?」

「え?じゃねぇよ。さっき、買い物したかったって言ってただろ?」

「…あ」


確かに、バイト終わりにボソッと小さな声で言った。



「…」


けど、本当にボソッとつぶやいただけで…流星さんには聞こえていないと思っていた。




「寄らなくていいか?」


驚いて言葉を失っている私の顔を覗き込み、流星は聞いた。


「え!?あ…いや、寄って下さい」


明日の朝ごはん…


「だ、そうです。運転手さん、お願いします」


私の顔を覗き込んでいた顔を運転席に向け、流星は言った。

「はい」


運転手さんが返事をすると、タクシーはコンビニの駐車場へと入った。