タクシーの中だというのに、咄嗟に距離をとった。
つねられた頬を両手で抑えながら。


今、ぶにーって…



目をパチパチさせ、隣に座る流星を見た。

ピッ

電話は終わったみたいで、流星はスマホをポケットにしまった。



「…ヤキモチ妬くなよ」

「!?」


や…




ヤキモチ!!??



流星の発言に、目を大きく見開いた。


「七海送ったら、仕事行くけど。それまでは、七海のものだから」

「は!?」

タクシーの中だというのに、思わず出てしまった大きな声。



ちょ…




ちょっと待って!!!




この人は、何を言ってるの!??




私のものって…




流星さんが私のものって…





いつ、そうなったの!!?