え?
え?
え?
目を見開き、口もパクパクと魚みたいに動いている。
鏡を見なくてもわかる、今の自分の間抜けな顔。
「ほ……惚れたって…誰に?」
「あ?七海に決まってんだろ?」
間抜けな顔のままの七海。
そんな七海の反応にも気にせず、部屋のクローゼットの扉を勝手に開ける流星。
「わ…私…?」
月に何百万って稼ぐNo.1ホストが、私に惚れた?
なぜ?
私はただの女子高生で、容姿も特別可愛いわけでもない。勉強も平均並み。
ましてや、放課後はバイトに明け暮れる日々。
何の取り柄もない私に、No.1ホストが惚れただと!?
「嘘だ!!絶対、ウソ!!!」
「うるせーな、でかい声出すな」
クローゼットに自分の服を勝手にしまいながら、流星が舌打ち混じりに返した。
「だって!ありえない!!てか、私のどこに!?私なんか、何の取り柄もない女子高生だよ!絶対、ありえない!」
両手で頭を抱え、この世の終わりのような叫び声を上げた。
「はぁー…自分出何の取り柄もないとか言うな
よな」
溜め息をつきながら、流星はテーブルの元に戻ってきた。