「あー、コーヒーのいい香り。腹減ったわ」
ガチャと脱衣所のドアが開き、ジャージ姿の流星が出てきた。
「お、大樹のやつナイス。俺の好きなクロワッサンじゃん」
テーブルの上に置かれたクロワッサンを見ながら、流星が言った。手には、重さが気になる紙袋を持ってー…
「…流星さん」
椅子に座ったまま、紙袋と流星の顔を交互に見る。
「何?」
「その紙袋の中……今着ているジャージの他に何が入ってるんですか?」
「え?あぁ…」
流星が紙袋を軽く持ち上げた。
「着替え」
紙袋を見せるように、流星が言った。
「…着替えって…今、ジャージ着てるじゃん……でも、まだ紙袋…膨らんでるように見えるんですが…」
紙袋からジャージを抜いたとしても、まだ紙袋はパンパンに見える。
「ジャージで飯は食いに行けないだろ?私服も入ってるんだ。後、下着も」
何言ってんだ?という表情で流星が見てくる。
「……」
下着も……?
え……?
何故……?
流星の言っていることが理解できず、ポカーンとしてしまう。