今はちゃんと現実と妄想を割り切れているらしく、その危ない発言の数々は聞かなくなっ……

「ナツとの子供なら絶対イケメンだよなー。産みたいなー」


聞かなくなったけど、たまに、本当にたまに今みたいに危ない発言をする事が、本当に極々たまにあったりする。

私ももう聞き流しているけれど……

あれ?


「お、何々、羽流もナツの歌声にやられたか?」


私がテレビに近づくなり奈津は「イヒヒ」と笑いながらそう言ったけれど、私はその言葉を無視するように奈津に問いかけた。


「ねぇ奈津、このギター弾いてる人なんて名前?」

「ん?ああ、Haru(ハル)」

「ハル…ふーん。ハルにナツになんか季節みたいだね」

「さすが羽流♪実は彼ら名前が春夏秋冬でも話題なんだよ!あとの二人はベースのFuyu(フユ)、ドラムのAki(アキ)」

話題って本当なのか怪しいな。と思いながらもそこはもう奈津が目を輝かせながら話しているので信じることにした。


「ハル…か」

「なに~羽流はやっぱりハルが気になる感じ?」

「奈津と一緒にしないでよ~ただこのハルって人さ、なんとなく花瀬先輩に似てない?」

「え?そうかなぁ~?ん~そう言われたら似てないこともないけど…さすがに違うっしょ」


そう言って奈津はボーカルの歌声に酔いしれていた。