かと思えばがばっと起き上がって、顔を真っ赤にした彼女はそう叫んだ。
ぐっと近くなった顔にびっくりして優夜はかちんと固まってしまう。

「ゆうにはちゃんと私から言いたかったの!君は、私にとって大切な──」

「──ましろちゃん、隣にまで響いてるわよ」

「あっ」

お茶のおかわりを淹れていたハルが顔を出して、その顔を見たましろがハルお姉ちゃん、と呟く。そして優夜からぱっと身体を離した。
ましろはハルのことを慕っているらしく、また、小さな頃からの顔見知りで、親しみを込めてハルお姉ちゃんと呼んでいた。
遠くなった顔にほっと息を吐くと、ましろはハルのほうを向いてしゅん、と顔をうつむかせていた。