「じゃあ、最後夜景見て帰るか!」
早朝に陽佑の家を出発、9時頃に大阪に着いて食べ歩き。
観光名所をいくつか回り、少しずつ疲れも見え始めてきた午後8時。
大志の言葉を合図にみんなで車を降りて向かったのは、梅田スカイビル。
夜景をひとしきり堪能したら、あとは帰るだけ。
昨日も大志の腕の中で眠った。
美鈴の視線が少し痛いような気もしたが、今日1日はなんともなく、むしろ親睦が深まった。
紗枝も美鈴も、わたしを妹のように可愛がってくれている。
昇とも、道中いろんな話をして盛り上がったし、陽佑はいつも通り攻めてくる。
ただ、大志とは今日1日あまり話せていない。
朝からずっと運転してくれているが、助手席にはしっかり者の昇が座っている。
目的地に着くと必要以上に陽佑がひっついてきていたのもあった。
夜景、大志と一緒に見たいな…なんて思いながら、最上階の展望台へ向かうわたしの隣にはやはり陽佑がべったりひっついている。
悪い人ではない。むしろ明るくて優しい陽佑。
ただ、ひたすら、タイプではないのだ。
展望台まで上がり、1周している間にそれぞれはぐれてしまったというか、自然と2人ずつに分かれていた。
「めっちゃ綺麗だね、紬ちゃんと2人でこの景色見れるなんて俺幸せ者だわ」
いつものおちゃらけた感じとは違う、静かな口調で陽佑は言った。
「ね、綺麗」
キラキラとした光が全体に広がっていて、とても綺麗だった。
「紬ちゃんさ、俺のことどう思ってる?やっぱちょっと絡みすぎてうざい?」
真面目な陽佑の話し方に少し緊張した。
「いや、うざいとかじゃないけど、どうしたらいいかわからんくて」
「俺さ、こんなおちゃらけてるけど、紬ちゃんのこと本当にいいと思ってるよ。まだ会って間もないし、最初はただ見た目可愛くて好みだなって思ってたけど、優しいところとか高校生だけど周りをよく見てるところとか、すごくいいなって思った。紬ちゃんともっと一緒にいたいって思ってるよ」
突然の告白に戸惑った。
正直、迷惑だと思っていた陽佑からの真面目な告白は嬉しく思った。
なんだかんだ、大事にしてくれそうで…
でも、わたしは大志が好きなのだ。
まだ気付いたばかりの気持ちだけど、この気持ちに蓋をすることは出来ない。
「そう言ってくれて嬉しい。ありがとう。そうやね、これからもみんなでいっぱい遊ぼうね!」
陽佑の言いたいことに気付かない振りをした。
多分陽佑はそれに気付いていたけど、それ以上は何も言わなかった。
おそらく、昨夜のこともあったからだろう。
展望台をもう1周して、みんなと合流した。
紗枝は昇と、美鈴は大志といたようだ。
帰り道にラーメンを食べて、帰路に着いた。
1日はしゃぎ回った疲れが出たのか、気付けば眠ってしまっていた。
後部座席の他の3人も寝ている。
起きているのは運転席の大志と、助手席の昇だけ。
わたしたちに気を遣って、小さな声で会話をしていた。
「今日、美鈴に言われたよ」
「え?まじ?なんて返したの?」
「とりあえず考えさせてって」
「大志的にはどう思った?」
「いやあ、正直ないかな」
「まあ、大志は紬ちゃんと仲良いもんね」
「いや、紬まだ高校生よ?俺もう23だし」
「あーたしかに」
そんな会話が聞こえた。眠くて頭がぼーっとしていたせいか、あまり理解出来なかった。わたしはそのまま眠気に身を任せて、また眠った。
早朝に陽佑の家を出発、9時頃に大阪に着いて食べ歩き。
観光名所をいくつか回り、少しずつ疲れも見え始めてきた午後8時。
大志の言葉を合図にみんなで車を降りて向かったのは、梅田スカイビル。
夜景をひとしきり堪能したら、あとは帰るだけ。
昨日も大志の腕の中で眠った。
美鈴の視線が少し痛いような気もしたが、今日1日はなんともなく、むしろ親睦が深まった。
紗枝も美鈴も、わたしを妹のように可愛がってくれている。
昇とも、道中いろんな話をして盛り上がったし、陽佑はいつも通り攻めてくる。
ただ、大志とは今日1日あまり話せていない。
朝からずっと運転してくれているが、助手席にはしっかり者の昇が座っている。
目的地に着くと必要以上に陽佑がひっついてきていたのもあった。
夜景、大志と一緒に見たいな…なんて思いながら、最上階の展望台へ向かうわたしの隣にはやはり陽佑がべったりひっついている。
悪い人ではない。むしろ明るくて優しい陽佑。
ただ、ひたすら、タイプではないのだ。
展望台まで上がり、1周している間にそれぞれはぐれてしまったというか、自然と2人ずつに分かれていた。
「めっちゃ綺麗だね、紬ちゃんと2人でこの景色見れるなんて俺幸せ者だわ」
いつものおちゃらけた感じとは違う、静かな口調で陽佑は言った。
「ね、綺麗」
キラキラとした光が全体に広がっていて、とても綺麗だった。
「紬ちゃんさ、俺のことどう思ってる?やっぱちょっと絡みすぎてうざい?」
真面目な陽佑の話し方に少し緊張した。
「いや、うざいとかじゃないけど、どうしたらいいかわからんくて」
「俺さ、こんなおちゃらけてるけど、紬ちゃんのこと本当にいいと思ってるよ。まだ会って間もないし、最初はただ見た目可愛くて好みだなって思ってたけど、優しいところとか高校生だけど周りをよく見てるところとか、すごくいいなって思った。紬ちゃんともっと一緒にいたいって思ってるよ」
突然の告白に戸惑った。
正直、迷惑だと思っていた陽佑からの真面目な告白は嬉しく思った。
なんだかんだ、大事にしてくれそうで…
でも、わたしは大志が好きなのだ。
まだ気付いたばかりの気持ちだけど、この気持ちに蓋をすることは出来ない。
「そう言ってくれて嬉しい。ありがとう。そうやね、これからもみんなでいっぱい遊ぼうね!」
陽佑の言いたいことに気付かない振りをした。
多分陽佑はそれに気付いていたけど、それ以上は何も言わなかった。
おそらく、昨夜のこともあったからだろう。
展望台をもう1周して、みんなと合流した。
紗枝は昇と、美鈴は大志といたようだ。
帰り道にラーメンを食べて、帰路に着いた。
1日はしゃぎ回った疲れが出たのか、気付けば眠ってしまっていた。
後部座席の他の3人も寝ている。
起きているのは運転席の大志と、助手席の昇だけ。
わたしたちに気を遣って、小さな声で会話をしていた。
「今日、美鈴に言われたよ」
「え?まじ?なんて返したの?」
「とりあえず考えさせてって」
「大志的にはどう思った?」
「いやあ、正直ないかな」
「まあ、大志は紬ちゃんと仲良いもんね」
「いや、紬まだ高校生よ?俺もう23だし」
「あーたしかに」
そんな会話が聞こえた。眠くて頭がぼーっとしていたせいか、あまり理解出来なかった。わたしはそのまま眠気に身を任せて、また眠った。