オレンジ色の教室の真ん中に座って
ぼーっと窓の外の景色を眺めた。



廊下から
パタパタと騒がしい足音がする。



ガラっと開く
ドアの音が耳に響く。




「ごめんっ!!!
 待った?」

手を顔の前に合わせて
申し訳なさそうにこっちを見ているのは
西条 ゆとり。


「へーきへーきっっ」

そう言ってニコッとほほ笑んだのは
松橋 優奈。(主人公)



「もー
 あのブタ最悪っっ!!!
 人のことこき使っちゃってさー!!」

「たしかにっっ!!!
 もう下校時間過ぎてるのに!
 ゆとりがかわいそうだよー。」


ブタというのは担任のこと。
太っているからブタと呼ばれている。


「ウチは自業自得かなっ。
 授業寝てたからっっ」

さらっとゆとり短めの茶髪が揺れた。
舌を出して笑うのが癖でかわいい。



それに対して…


「他に寝てる人はいっぱいいるよ。」


…比べるのはゆとりに失礼か。
比べれるほどかわいくないし。


気づかれないように
ため息をついた。