「…時間切れだね…。」 「あぁ…。」 一つ一つの言葉が虚しくて 涙が出そうだ。 奥歯をかみしめて 泣くのを必死にこらえる。 潤む目で景色を眺めた。 そっと 上に重ねられた手の重みさえ、 今は辛くて仕方ないよ…。 …さようなら… 大切な場所…。 きっと ここに来ることはもうない…。 もう…。 ぎゅっと君の手を握り返して歩き出す。 足もとから カサカサと雑草がなびく音がした。