「はぁ…」
今日は舞踏会。
でも、あたしはちっとも楽しくない。
「アリゼス王女様、よろしければ私と一緒にどうですか?」
「あたしはいいの。ありがとう」
「承知いたしました…では、失礼いたします」
お父様があたしのために開いてくれた舞踏会。
だけど、本当の目的は、
あたしの婚約相手を探すため。
だから、たくさんの王国から王子様達が来てくれてるんだ。
だけど、あたしはなんかこの人ってくる王子様がいない。
「アリゼス?また1人でこんなところにいたのかい?」
「リアムお兄様……」
リアムお兄様はあたしの2つ上のお兄様。
心優しく、たくさんの王国の王女様に人気。
まぁ……見た目もそれなりにいいかも、だし。
「アリゼス、こんなところにいたら風邪をひくよ?中へ入って舞踏会を楽しもう!」
「でも、リアムお兄様、あたしちっとも楽しくないの」
「アリゼスが気に入る王子がいないなのはわかってる。けれど、少しは音楽にあわせて踊ってみるのもいいんじゃないか?」
「ん……」
「まったく、アリゼスは仕方ないなぁ。ほら、僕の手をとって、一緒に踊ろう」
あたしはリアムお兄様の手をとる。
そしたら、リアムお兄様は優しくあたしをエスコートしてくれた。
「アリゼス?どうだい?気分は」
「なんだろ、踊りってこんなに楽しかったんだ」
「だろう?周りをみてごらん。皆がアリゼスをみている」
「うわっ……///ちょっ、なんで?」
「きっとアリゼスが普段踊らないから皆がアリゼスに興味を示しているのだよ」
「そ、そういうことか……///でも、恥ずかしいなぁ……」
「大丈夫、緊張せずに僕と一緒に踊ろう」
「うっうん……」
みんなそんなに、みないで///
恥ずかしすぎて転んじゃいそ……
「アリゼス王女なんて美しい」
「リアム王子とアリゼス王女のダンスはなんて美しいの」
「アリゼス王女が踊ってるなんて……珍しいけど、なんだか吸い込まれそうだわ」
だからっ!
みんなぁぁぁ!
そんなにあたしを、みないでー!
*
「はぁ……」
「ははっ、楽しかったかい?アリゼス?」
「まぁ、楽しかった」
「それは、よかった。では、僕はまだまだ他の王女からダンスを頼まれている。失礼するよ」
「うん……」
はぁー。
さっすがにつかれたー。
いつものこの場所が一番落ち着く。
お城のベランダ。
とくに大広間近くのベランダはすごく気持ちいい風がはいって好き。
そのとき花びらと一緒に風が入ってきた。
「うわっ……大変!ドア閉めなきゃ!」
あたしは、急いでドアをしめた。
と、その後ろで
「アリゼス」
「へっ?」
誰だろ?
この人……
てか、どっからきたぁ?!?!
てか、てか!
怖いし!
ベランダの手の掛けるところに立っちゃって、
スッゴい危ないし!
よし、ここは第一王女のあたしが、
「ちょっと!あんた!なによ!」
「てめ!声でかいっての!」
「何よ!生意気ね!警備員を呼ぶわよ!」
「はぁー?そんな怪しいやつじゃねーし」
「じゃあ!名前を名乗りなさい!!!」
「は?知ってるかと思った」
「へ?」
「俺のこと知らねーの?」
「しっしし、知るわけないでしょ!こんな変態!」
「変態て、酷いことゆーなよ」
「なによー!」
「はいはい、名乗ればいんだろ?」
「はっ、早くしなさい!」
「……ナイト」
「な、ナイト……?」
なんだかなんだろ、
この感じ……懐かしい……
「ナイトってきいたことある」
「ばーか、お前アホだから久しぶりすぎて忘れたか」
「しっ失礼な!まぁ……アホだけど」
「ははっ、自覚あるんだー」
「なっなによ!」
「まぁ、いいや。幼いころ、覚えてる?」
「小さいとき、ね……、あ!もしかして隣の国の!」
「はぁーやっと思いだしたのかよ」
「うん!久しぶり!」
「だな」
ナイトかー
懐かしいなー。
ナイトは隣国の王子様。
幼いときよくあそんでたっけ…
「確か第二王子?だったっけ?」
「そそ、第一王子は双子の兄貴」
「たしか名前は……えーと…」
「カイトな」
「そそ!カイト王子!」
「まぁ、兄貴は今は王子じゃなくて王だけどな」
「え!?王様!?」
「あぁ。父さんも母さんも亡くなっちまったからな」
「……そっか」
「そんな、悲しい顔すんなよ」
「でも……」
「でもさ、今は新女王もできたし、兄貴も幸せそーだぜ?」
「そっか!結婚したのね!おめでと」
「おう!伝えとくな」
「じゃ、もう第二王子じゃないじゃん!」
「あっそーだな」
「第一王子しっかりねー」
「わかってるっての」
ナイト、立派になったなぁ……
背もこんなに大きくなってさ、
「ナイトー」
「んー?」
「なんで舞踏会の招待状確か配ったのに来なかったの?」
「それは、んーなんつーか」
「えー?はっきりしてよー」
「いや、なんでもねーよ」
「えー!今なんか言いたそうな顔してたのにー!」
「俺には俺にで都合があんだよ」
「へぇー、都合って?」
「お前しつけーぞ!」
「いいじゃん!ちょっとくらい!」
「うぜー」
「なによー!」
「はいはい、ごめんなさい、アリゼス様」
「んー、許す!」
「ありがとー」
「ははっ……」
「んだよ……」
「なんでもなーい。まぁ、今度招待状きたらちゃんと来てよ?」
「分かったっつの」
「うん!よろしく!」
「じゃ。もー、いかねーと」
「うん!またね!」
「おう!またな」
そう言うとナイトはベランダから軽くジャンプをして
庭でまっていた白馬にまたがった。
「じゃーな!おばかプリンセス」
「なっ、うるさい!はやくかえれーーー!」
そう言うとナイトは笑って
あっという間に遠くへと帰っていった。
でも、なんだか、その笑顔は
悲しそうにもみえた。
……気のせいかな?
うん!きっと、気のせいだよ!
アリゼスしっかり!!!
「アリゼスお姉様???」
「あっ!ルイーズちゃん!どうしたの?」
「さっきからどーしたのです?」
「ん?なにが?」
「お一人で何を話していたのですか?」
「え?一人……?」
「えぇ。アリゼスお姉様一人で話してましたよ?しかも、すごく、たのしそうに」
「おかしいな……」
「しかも、あの名前を……」
「ん?なんて言ったの?」
「えっ!?あーいえーなんでもないですわ!」
「ルイーズちゃん???」
「では、失礼しますわ!アリゼスお姉様も舞踏会楽しんでくださいませ!!」
そういって妹のルイーズちゃんは走っていってしまった。
「なんで、一人なんだろ?」
……ずっとナイトと一緒だったのにな。
まぁ、いや!
「あ!テーブルに、フルーツタルトが!」
いかなきゃ!他のみんなにとられちゃうー!
登場人物紹介1
アリゼス.シャルパンティエ
レオナス王国の第一王女。
年齢は16歳。
綺麗な青色の瞳と金髪の髪をもつ美しい王女。
他国の王子から人気を集めているが
アリゼス自身は興味がない。
「やっぱりおいしー!」
フルーツタルトってほんと好き!
とくにこの苺!!!
甘くて酸っぱくて……
「とても可愛らしいお顔でお食べになりますね」
「だってぇー。おいしんだもーん」
「ははっ、相変わらずですね」
「……あはは……え?……あっ!?」
やばやば!
この人確か……
「驚かしてすいません、トーポタル王国から参りました。アベルでございます」
「アベル国王様……こちらこそありがとうございます」
「いいえ、こちらこそ……よいしょっと、」
「……ん?……ひゃぁ!?!?」
ちょ、ちょ、ちょちょ!
な、な、な、何してんの!?!?
「あっアベル国王様?!」
「しー。目立ってしまいます」
「でもっ!」
あたしは、アベル国王様に抱きしめられている。
ちょ……///
「やめてください……」
「私は構いませんよ?」
「でもっ……///」
「はぁー。可愛らしいお顔」
「なっ!?みっみないで……///」
近い!近い!近い!!!
どうやらここはカーテンの裏側で人目がないところ。
しかもカーテンは立派で分厚いし、声も聞こえずらい。
どーすーんーのーよー!!!!!
「しかも、この愛らしいお胸……はぁ……」
「なっ!?やっやめっ!!!」
「失礼しますね……」
「ちょっ……やめっ…」
もうダメだ……
「ちょっと、何してんだよ」
「んー?私の邪魔をする人は許せませんね」
「……?」
カーテンから顔をだして
あたしのところにきたのは……だれ?
でも、なんか誰かににてるような……???
「離せっての。そいついやがってるけど?」
「まったく意味がわかりませんね?あぁ、アリゼス様私と一緒に今晩過ごしませんか?」
こいつといたらやばいことになるっての!!
あたしはおもいっきり首を降った。
「ははっ!もー嫌われてんじゃん」
「はぁ……アリゼス様。私はがっかりしましたよ?」
「すいません……あたしアベル国王様とは……」
「わかりました。あーあー、私のところにくれば女王になれたとゆうのに。まったく、分かってらっしゃらない。いいところだったのに変なおじゃまむしまで、」
「……」
「まぁいいでしょう。では、また」
そういってあたしから離れていった。
「……わ……」
「大丈夫です?」
「怖かった……」
怖すぎて力が入らず腰をおろす。
全身の力が一気に抜けるような感覚がする。
「よっぽど、怖かったのですね。アリゼス様の声が微かに聴こえたので……」
「……ありがとうございます……本当にありがとうっ!」
「涙は似合いませんよ?これをお使いになってください」
そういって彼はハンカチをあたしに差し出した。
「ありがとうございます……うっ、ううっ…」
「大丈夫ですよ、僕がいますから、安心してください」
「うっ……あっ……そっ……い、えばっ」
「落ち着いてからで大丈夫ですよ?僕はここで待っていますから」
「あり、がっ……と、うっ……」
*
「だいぶ落ち着きました?」
「はいっ……ありがとうございます」
「あっ、申し遅れました。僕は隣の国、キラッシュ王国から参りました。第一王子のルイトです」
「キラッシュ??ってことはお兄さんは……ナイト?」
「ナイト?誰のことでしょうか?」
「へ?」
「僕の兄上はカイトだけです」
「え?」
じぁ、ナイトは???
どうして、ナイトは、いないの?
「あ、そっか!ううん、なんでもないよ!ごめんね?」
「はて?なんのことでしょう?」
「ほんとになんでもないの!」
「はっはい……わかりました」
変なこといっちゃった……
もー最悪。
「よろしければですが、僕と一曲どうですか?あなたに一目惚れしてしまいました」
「なあっ!?……///」
「そんなに照れなくても……さぁ、僕のてをとって!」
「助けてくれたからよろしくお願い!」
「では、エスコートさせて頂きます」
「うんっ!」
ルイトくんかぁ、
でも、カイトとナイトは双子なのになんで
ナイトはいないことになってるんだろ?
ナイトってあたしの妄想の王子様なの……かな?
登場人物紹介2
ナイト.アンカイーヴ
隣の国のキラッシュ王国の王子様。
カイトとは双子の兄弟でルイトは弟のはずだが
ルイトは兄はカイトのみという。
年齢は16歳でアリゼスと同じ。
今では正体が不明な王子様。
「はぁ……楽しかったぁ……」
舞踏会あんなに楽しかったことってあったっけ?
なんだか、今日の舞踏会は特別だったなぁ。
今は自分の部屋でゆっくりコーヒータイム。
それと舞踏会であまったフルーツタルト!
あまったってかこっそり持ってきたやつだけど……
「ナイト……どこにいるのかな……」
なんで、ルイトくんはナイトのこと知らないのかな?
もしかして、ナイトは存在しないとか???
いや、そんなはずはない!
だってあたしは会ってるんだもの!
いないとかないないない!
……コンコン
ん?こんな時間に誰だろ?
「はーい」
「遅くにごめんよ。アリゼス」
「リアムお兄様どしたの?」
「少し気になってることがあって」
「気になってること?」
「あぁ。アリゼス、ナイト王子のこと知っているか?」
「うん!知ってるよ!」
「やっぱりか……彼に最後にあったのは?」
「え、ついさっ……」
……もしかして?
リアムお兄様なんかすごい不安そうな顔してる。
こりゃ、さっき、なんて言ったらまずいかな……
「っ……あー、えっとー、幼いときにあっただけだよ!」
「そうか、ならよかった」
「あったら駄目なの?」
「僕が聞いたところそのナイト王子は去年亡くなったんだ」
「え……」
どうして、今日ナイトに会ったよ?
そして話したよ?
なんで、え、なくなった???
「それで、ナイト王子は今もこの世をさまよっているらしく、幽霊白馬にのって、亡くなる前に恋をしていたある王女様を探しているらしい」
「王女様……を?」
「そうなんだ。それで、その王女様なんだがナイト王子が恋をしている王女様。つまり、ナイト王子の思いをよせる相手にだけナイト王子がみえるらしいのさ」
「……そーなんだ…」
あたしはナイトのことみえた。
てことは、ナイトはあたしが好きってこと……?
「まぁ、幼いときならナイト王子は生きていたから安心だな」
「うん……」
「もし、亡くなってしまったナイト王子をみてしまったらある大変な不幸がその王女様に訪れてしまうらしい」
「……へー……たっ大変だね」
「だろう?だから、アリゼスも気を付けるんだよ」
「うん!わかった……ありがとうリアムお兄様!」
「可愛い妹のためだ。なんてことないよ。それじゃ、アリゼスまた明日!おやすみ」
「おやすみなさい」
リアムお兄様があたしの部屋から出ていく。
ナイトがなくなった……
しかもリアムお兄様のあの話本当なの??
ある大変な不幸……
それってあたしに起こるってこと???
だって、あたしはなくなったナイトをみてしまったから……
不幸ってなに?
まったく想像できないよ……
その夜あたしは考えつかれて、気づいたら寝てしまっていた。
*
「ふぁわ……」
小鳥の鳴き声で目を覚ます。
窓からあたしの大好きな花壇がみえる。
今日も元気になってもらわなきゃ!
水あげないとな。
いつものように用意されていたドレスをきて
髪型をととのえて廊下へ出る。
「アリゼス様おはようございます」
「おはよう」
メイドさんがあたしに挨拶をしてくれた。
このメイドさんはいつも舞踏会のときのドレスを整えたりしてくれるメイドさんだ。
「朝お早いですね」
「なんだか、目が覚めてしまって」
「よく眠れませんでしたか!?大丈夫です!?」
「そんな!大袈裟な!大丈夫だよ」
「なら、安心です。またいつもの花壇へお行きになられるのですか?」
「そうなの」
「なら、お手伝いいたします」
「ほんと!?ありがと!」
メイドさんは一礼をして二人分のじょうろを用意して
あたしに渡してくれた。
外に出るとすぐに花壇がみえる。
花壇っていってもめっちゃあるんだけどね……
えっと、あたしのお気に入りの、花はっと
あ!あった!あった!
「あたしこのパンジーすごく好きなんです」
「このパンジーは不思議なんですよね……」
「不思議って?」
「アリゼス様が幼いときときから植えていますが冬が訪れてもまったくかれないのですよ」
「へぇ……すごいね」
「ですよね。たしか隣国から頂いた種だったような気がします」
「なにか特殊な種なのかな?」
「かもしれませんね」
二人でクスッと笑いあったあと
メイドさんとコツコツと水を花にやっていった。
*
「さぁ、そろそろ朝ごはんですね。お城のほうに戻りましょうか」
「うん!そうだね」
と……そのとき
「あっウサギ……」
真っ白なウサギがあたしの前を通った。
ウサギはどんどん跳ねていき、車が走る道路のほうへ……
そのときおおきなトラックがウサギに向かって走ってきた。
「え……うそ」
ちょっとまって!!!!
ウサギさん!助けてあげるから……
ウサギを両手で抱え込む。
そして優しく抱きしめる。
よかった……
……???
……ドンッッッッ!!!!!!!!
……………………ん?
視界が揺らぐ……
あれ……?
あたし……
誰かがあたしの名前を呼ぶ……
あれ……体が動かない
ウサギはあたしから離れようとしない……
ウサギはあたしの頬に顔をすり付ける、
ウサギさん、助かったんだね、
よかった……
これがあたしに起きた“大変な不幸”。
登場人物紹介3
リアム.シャルパンティエ
アリゼスのお兄さん。
年齢は18歳。
たくさんの他国の王女から人気を集めている。
アリゼスとルイーズ思いの心優しいリアム。
レオナス王国の第一王子。
「アリゼス様!アリゼス様!」
「ん……?」
誰かがあたしの名前を……?
駄目だ……起きないと……
「はっ……」
「アリゼス様!!!大丈夫ですか!?」
「うっうん……」
「よかったぁ……あのあとトラックが爆発してしまってアリゼス様が火で燃えてしまって、急いで救急車を呼んだんです……」
「え?」
よくみるとあたしの手元は包帯でぐるぐる巻き。
うっすらと移る窓には包帯だらけのあたしがいた。
「え……う、そ……」
「アリゼス様……」
「なんで、なんでこんなことに……???」
「アリゼス様、ほんとうに申し訳ありません!」
……なんで。こんなことに…
そんな、こんなのあたしじゃない……
*
「では、包帯外してみましょうか」
「はい……」
あれから3日……
ほんとうに大丈夫なのかな……
お医者さんが丁寧にあたしの包帯をはずしていく。
そして、ついに、
「できました。では、これからはお大事になさってください」
「ありがとう……」
手元をみると治ってる……
よし、大丈夫。
お父様、お母様、リアムお兄様、ルイーズちゃん……
まっててね!
*
お城についた!
いかないと!みんなのとこに!
大広間にいくと、いた!
「リアムお兄様っ!」
「なっ……ほんとにアリゼスなのか???」
リアムお兄様に、抱きつく。
会えたのがとっても嬉しい!
「汚いっ!さわるな!この女め!」
「へ……」
リアムお兄様……???
いつもの優しいリアムお兄様はどこへ?
「醜いし、汚ねぇ!てめぇが妹とか信じられねーよ!」
リアムお兄様……どうして?
あ、ルイーズちゃんがきた!
「ルイーズちゃんっ!ただいま!」
「え、アリゼスお姉様……?なの?」
「ルイーズちゃんまで……」
どうして……ねぇ、ルイーズちゃん!
「こっちこないでほしいの!ねぇ!アリゼスお姉様……嫌だ。ううん、姉でもない、このゴミ女……」
ルイーズちゃん……どうして?
「お母様!アリゼスお姉様いいえ、このゴミ女がお城に!」
「え?もしかして、アリゼス……?」
「そうだよ!お母様!」
お母様ならきっと大丈夫、
「出ておいき!あなたに言うことはなにもないわ!」
お母様……どうして?
あたしは可愛いウサギを助けただけなのに
それで、事故にあったのは知ってるよ。
でも、
どうして、そんなこと言うの???
大広間をでて、
洗面台の前に
そして、
鏡の前に立つ……
あぁ、こうゆうことか
あたしの肌はあちこち焼けていて、気持ち悪い
目は火で焼けたせいか、綺麗だった青色の瞳が
右だけ薄暗い灰色に、
お母様譲りの綺麗な金髪も
ちりちりに焼けてしまって汚い……
こんなに気持ち悪いと
そりゃ、あゆなこというよね……
さようなら……
リアムお兄様、
ルイーズちゃん、
お母様、
そして今は忙しくて、海外にいるけども……
お父様、
皆様、さようなら……
あたしは、自分の部屋から必要なものをもって
お城をとびだした。
永遠のおわかれよっ……
プリンセスアリゼス。
あたしは深い深い森の奥底へと
はしって逃げた。
登場人物紹介4
ルイーズ.シャルパンティエ
レオナス王国の第二王女。
年齢は14歳。
アリゼスとリアムの妹。