昔々、こんな伝説がありました。


とあるお城に美しいお姫様がいて、異性からとても人気がありました。


そんな噂を聞いた、その城の近くにある湖に棲まう龍は、お姫様に逢いたいと思いました。


そして、龍は蝶々の姿に化けて姫に会いに行くのです。


ある日、姫が城の外を眺めていると、蝶々が突如現れました。


蝶々に化けた龍に微笑む姫に、龍はすっかり一目惚れしてしまいます。



今度は、龍は人の姿に化けて夜に姫に会いに行きました。



「私は湖に棲まう龍です。あなたが好きです。結婚してください。」


そう告げるとても美しい青年に姫はうっとりしてしまいましたが、姫には決定権はありませんでした。


「私には答えられませぬ。我が城主である父にお許しをもらってください。」


青年は後日、姫の父に会いに行きました。


けれど、姫の父は猛反対。


それでも引き下がらない龍に、父はバケモノを騙してそのまま退治してやろうと目論みました。



姫の父に騙された龍は深手を負ってしまい、怒り狂います。



そのせいで自然は大荒れ。人々も沢山死にました。




姫は嘆いて湖に身を投じました。




すると自然災害もピタリと止みました。




龍と姫はあの世でめでたしめでたし…




とはなりませんでした。




その後の龍と姫にはまだまだ波乱なお話があるのです。