俺の名前は鈴原海斗。
湊第三高校の2年生。
今日もいい朝だなぁって
ぼんやりと布団の中で思ってた。

「かぁいっとぉぉぉ!!ち!こ!く!」

「うわっ!」

俺はびっくりして布団から飛び起きた。
よくみると部屋の窓が開けっ放しで、そこから見える家の外の道路から叫んでる女がいた。

「さきに!いくから!ね!」

幼なじみの時中萌だった。

「お前なぁ!いちいち叫ぶなよ!うるせぇよ!!」

そう言って俺はピシャリと窓を閉めた。
窓を閉めた瞬間部屋のドアが開いて、母ちゃんが入ってきた。

「あんたねぇ、萌ちゃん待たせちゃダメじゃない!ほら、弁当!とっとと行きな!」

「勝手に部屋に入るなって何回も言ってんだろ!?これ言うの何回目だよ!」

母ちゃんは俺の言葉を無視して、扉を開けたまま仏間の方に行った。
これが俺のいつもの朝。
急いで制服に着替えて、
筆箱しか入ってないカバンに弁当を入れた。
しょうがない、朝ごはんはまた売店で買おう。
玄関にある棚の上にのせられたサッカーの練習着を袋に詰めて、玄関から早歩きで出た。
萌はまだ家の前にいて、買ってもらったばかりのスマホをいじっていた。