「先生もそう思います〜!?
エリカってば、ここ最近メキメキ上達しちゃって!」



どこからか、にょきっと効果音がなりそうな雰囲気で高ちゃんが口を挟む。



「前までは結構、なんていうか……お手本の色を忠実に写してる感じだったんですけど、最近は色の幅が増えたっていうか〜!」


「おーっ、良いところに目をつけるじゃないか湯澤!
先生も良い色の使い方をするなと感心してたところなんだ」


「ですよね!?ほら、写真では白ベースで中央に紫色しか見えないアネモネなのに、あえて赤色が入ってたりとか!」


「陰になっているところを濃い紫で表現するんじゃなく、あえて赤で表現してるんだよなあ。
それが嫌な目立ち方をせず白いアネモネによく馴染んでいる」


「そうそうそうそう、全体で見た時はちゃんと間違いなく白いアネモネになる程度に色で遊んでる感があるのがおもしろいんですよ!」


「実物に忠実な描き方も実に良いが、綾瀬には今の方が合ってる気がするな」


「格段に魅力増しましたよね」


「あの……先生……高ちゃん……もうそのくらいで……」



興奮気味に言葉を重ねる2人に、だんだん恥ずかしくなってくる。


褒められるのはもちろん嬉しい。


でも、そこまで褒めちぎられると、くすぐったくてたまらなくなる。