「もー。高ちゃんってば」


「だぁって〜。恋バナ好きなんだもん。
たまにはエリカのも聞きたいんだもん!」


「何もなくてごめんなさいねぇ。
でもまあ、好きな人くらいはできたかも?」


「本当エリカは何もなさすぎなんだよー……って、は!?
ちょっ、ちょっとちょっとちょっと!
今の!詳しく!」


「やだ」



ガタッ!!と大きな音を立てて身を乗り出してきた高ちゃんを手で押し返そうとするけど、興奮した高ちゃんには敵わなかった。


そのまま押し切られて、グッと肩を掴まれる。



「やだじゃない。話して!全部吐け!!」


「その言い方は誤解を招くよ高ちゃん」


「話を逸らさない!
本当に?本当に好きな人できたの?」


「……うん、多分ね」


「多分って。どこの誰よ?」


「それは、言わない!」


「え〜〜〜。じゃ、どんな人なの?」


「…………うーん。変わってる人?」


「もっと具体的に〜〜!!」


「えー?そうだなー……。
……マイペースすぎる人、かな。ご飯食べ忘れて倒れたり、言葉の途中で急に話をやめたり、宇宙人になりたいとか言ってたり……」


「……いや、あの。ちょっとストップ」


「ん?どうしたの高ちゃん」


「どうしたのっていうか。それ、実在する人だよね?
ドラマとかアニメとかの登場人物じゃないよね?」


「うん。実在するよ」


「…………嘘でしょ。そんな人、ほんっとにいるの!?
エリカって電波がタイプなわけ?」


「わぁ、めっちゃ失礼なこと言うね〜。
いるよいる、変だけど誰よりも輝いてるんだよ!」