「見て見て、これ!彼氏にもらっちゃったーっ」
「手鏡?」
「そう!可愛くない?花柄!
告白された時のプレゼントなんだー」
「え、告白なのにプレゼント付きなの?」
「うん?そういう人もいるよ?」
「……プロポーズの時くらいかと思ってた」
「やだー!エリカったら可愛い!ウブ!」
「高ちゃんが知りすぎなんだと思うよ!?」
えー?なんて首を傾げながらゴソゴソとカバンを探り出した高ちゃんを、頬杖をつきながら見守る。
そりゃあ恋愛経験はないから、確かにウブ……?なのかもしれないけど。
この歳でもう元彼がたくさんいる高ちゃんも、相当おかしいと思う。
高ちゃんは、稀に見る能天気な人だ。
1つのことにずっとこだわることもないし、何か思いついたら思うままにすぐ行動する。
だからウダウダと悩んでることもなくて、いつもポジティブで明るいんだ。
ピカピカ綺麗で輝いてて、熱しやすく冷めやすい。
なんか、まるで金属みたいだ。
そんな高ちゃんの隣は、すごく居心地が良かった。