違う。正確には泣いていた。
その背中が微かに震えていたから。
遥希「俺の好きなユリヤちゃんは
ああゆうのじゃなかったんだけどな。」
それが、大高の本音で。
それが、大高の言いたかった事で。
だから、私は今こそ何か
慰めの言葉をかけるべきだ。
とは思うけど...尚更
何も思い浮かばない。
そもそも、私の中で風祭ユリヤは
大高が知る、もっとずっと前から
初対面の人に水をかける
割と失礼な女の人だという
イメージが消えてなくならない。
その現実を知った大高が
落ち込む気持ちは分かるけど。
きっと、あれが。今日のような
風祭 ユリヤが本当で。
今まで大高が見ていた風祭 ユリヤが
偽物なのだから。
