5分くらいたって優希は何も言わない。
重いって思ったかなぁ?
まぁでもこれが最後だから、いいか。
もう、これで終わり。
「今までありがとう。じゃあね」
涙を拭って、最高の笑顔で別れを告げた。
廊下に出たあと、我慢できなくなった私はその場にしゃがみ込んで小さい子のように泣いた。
泣き止んで教室に帰った私を、さらは温かく迎えてくれた。
「菜那、頑張ったね。あんたはよくやった!自分の思い、ちゃんと言ってきたんでしょう?」
「うん。言って…き…たよぉ〜、うぅ〜」
「もぉ、ここで泣く??仕方ないから慰めてあげる!」
ぎゅっと抱きしめてくれたさら。
改めて最高の友達を持てたことを実感した。
優希は…ううん、佐藤は放課後になっても教室に帰ってくることはなかった。