寝れない日、

目を閉じる。

目を空けたら何もない世界。

色も無い、音もない、体もない、何もない、

ここでは吾は存在していない。

見ている、動いている、でも、

吾はここには居ない。

もういちど目を閉じる。

今度は黒が見える、空気が聞こえる、生きている。

死ねばいい、と、

目を閉じる度にいつもは何もしてこない、

匂いや音や布団までもが、

いかせまいと阻止してくる。

目を閉じたまま死ぬのではなく寝るんだよ、と。

いつもは何もしてこない、

ものたちまでもが邪魔をする。

吾の感情は、

死を勧めてくるわりには、

死の事を忌み嫌っている。

そして、生きる事を望んでもいない。

八方塞がりなヒト。