彼、宇佐美直人(うさみなおと)
高校2年生。


うすい茶髪にふわりと巻かれたパーマ。


しゅっと鼻すじが通っていて、ぱっちりとした二重の彼は人当たりがよく、

要領もいいため男女問わず、多くの人がついてくる。


もちろんそれだけではない。


容姿端麗、頭脳明晰、運動も出来るうえ

人を上から見たりしないところも彼のいいところだ。


この全てを兼ね備えた彼をきょういに思わないわけがなかった。


「大事なことのメモは俺がしておきますから結衣さんは話に集中していて大丈夫です」

「ええ、ありがとう……」


彼は1年生という異例の速さで生徒会の副会長という座を勝ち取った。


そして今日までの1年間

私の補佐として、仕事をこなしてくれたけど、その仕事の出来栄えもかなりのものだった。


『結衣さん、終わりました』


仕事のスピードは速く。


『ここ、間違っていたので修正しておきました』


質もよければ。




『生徒会にご協力お願いします』


生徒会の挨拶周りでもあいそうよく笑顔をふりまいている。