教室までの道を歩いていると何かを思い出したかのように夏美ちゃんが……


「あっ、そうだ……ごめん、氷菜。
今日、部活があって一緒に帰れないんだけど1人で大丈夫?」


そう、申し訳なさそうに言う。


本当に夏美ちゃんはどこまでも優しい。


「私も今日は委員会の集まりがあるし、どのみち1人だから大丈夫だよ」


私は笑顔でそう答える。


1ヶ月に1度、美化委員の集まりがあって帰る前に各教室·廊下の窓を拭くことになっている。


この学校の窓はたくさんあってかなりの時間がかかるためいつも委員会の仕事がある日は帰りが遅くなってしまう。


「じゃあ、帰り遅くなるのね。
暗いと思うから気を付けなさいよ?」


「うん!夏美ちゃんの方こそ、気を付けて帰ってね」


「分かってるわよ。じゃあ、そろそろ教室行くわね」


そう言って夏美ちゃんは自分の教室へと歩いていく。