しかし、ある場所で足を止めた。
うさぎ堂のある場所だ。
いや、正しくは、あった筈の場所だ。
あった筈なのに、ない。
目を擦ってみる。でも、やはりない。
耳の奥の方で何かが聞こえる。
違う、今学校でチャイムが鳴ったのが聞こえたのだ。
「やばい!」
彩花はまた走り出した。