初夏の学校帰りのこと。
小さな小学生の元気な響く声。
少し大きい中学生の着崩した制服
夕方の夕日が少し見える頃、高校2年の天羽彩花は一人歩いていた
いつもと変わらない道を歩く。なんの変哲もない、木が生い茂る明るい陽のあたる坂道。
そして彩花は曲がり角を曲り、人気のない道を進む。三毛猫が二匹歩いているだけ。ここからでないと家に帰れないのだ。
沈黙で、静まり返っているこの道が彩花は嫌いではない。
家に帰ったら、何をしよう。そんなことを考えていたと思う。
次の瞬間、細い路地裏の先に綺麗な店が見えたのだ。