「良いですよ!そんなの」
「何よ!知らな~い!」
お姉ちゃんは言うだけ言って立ち上がる。
身長差がない私達は、
逆に睨まれるとお互いに迫力を感じる。
お姉ちゃんも怖かった。
「……出てってよ!」
「言われなくても出てくわよ、地味女」
「自分はケバイくせに~!!」
私は地団太を踏む。
お姉ちゃんがネックレスを投げ付ける。
「何よこれ?」
「羨ましいなら付けてけば!」
私はネックレスを拾った。
それはひんやり冷たくて気持ち良い。
お姉ちゃんはもう部屋から出て行った。
鏡の前にいる自分は
アクセサリーもない、
今までだったら考え付かない服装。
だって、目立つと虐められるから。
そんなの嫌だった。
だから、地味になるなりに頑張った。
……けど、アクセぐらい、付けたっていい。
私だって女だもん!
「…………」
“シャラ……”
そのネックレスは
揺れて光でキラキラと光った。