“ドスン”

部屋のベッドに寝転がる。
綺麗な月明かりが入ってくる。

『美喜って言うの?』
『はい……』
『あっそ。今度は聞かせてやる』

バイオリンを指差して高城さんは言った。
高城さんの顔は赤かった。
でも、私は分からなかった。

『えっと……』
『だぁ!悪かったって言ってんだよ!』

私は戸惑ったけど
高城さんは優しい人だと思った。
(怖いけど)

初めて会った気がしなくて
何処か優しくて
けれどちょっと怖い。

そんな彼が、今は眩しかった。