“♪~……”
音が遠くなるのが分かった。
眠ったんじゃない。
泣く事に、ただ夢中で
周りなんか見えないほど、辛くて。
子供みたいにうずくまって泣いてたんだよ。
迷子になった。
独りが怖くなった。
今まで強がってた自分が、恥ずかしかった。
ねえ、独りじゃん。
何もできてないじゃん。
なに、笑って立ってんのよ……。
「うっ、うっああぁぁぁぁ……」
“ジャリッ”
前が、暗い。
深淵に取り残されたような
独りで光を待っているような
そんな、恐怖。
「……何してんだよ、アンタ」
冷たいのに、何処か温かくて。
冬の陽だまりにいるような感覚。
どうしてそう感じたのか。
分からないけど、覚えてる。
ただ、少しだけ。
嬉しかったってこと。