「はぁ……」
“キキィ……”
ブランコが揺れる。
冷たい風が頬を撫でる。
「さむ……」
一人ぼっちなのも、
この暗い公園だって、
私の身体を冷たくさせるだけ。
寂しさは紛らわせない。
けど家で少女みたいって
他人には軽蔑されるんだ。
そんな社会も、好きじゃない。
手を空に伸ばす。
星が見えない都会の空。
あの人も、この下にいる。
そこでは星は見えるかもしれない。
そんな不思議な感覚。
まるでおとぎ話のようだ。
「ばっかみたい」
“ギッ!”
軋む鉄がふわりと血のような香りをさせる。
猫のような欠伸をすると、私は伸びをする。
一匹猫。
そんな感覚だった。