「アイツ、ウゼくね?」
「ねぇ~?」
「同感同感!!」
中学に入って三年目。
私は桜井美喜。
名前とは裏腹に地味で色褪せた毎日。
悩みはいくつかある。
そのうちの二つが大半。
一つは成績の事。
受験生だから当然。
そして、もう一つ。
いつだって、私を襲う闇があること。
「…………」
「何見てんだよ、キモ」
「キモは今すぐ帰ればぁ?」
虐め?
いや、この人たちはそんなふうに思わない。
“ゲーム”
そんな感覚で他人を傷付け続ける。
私にも少しずつ傷ができた。
いつまでも消えない、心の傷も。
「…………」
言いたいことは沢山在る。
私たちのことを知ったつもりなだけの大人。
本当にうんざりする。