教室に戻ると隣には遥くんがいた。
泣き目で、真っ赤な目をした私を見て一瞬驚いた表情をみせたけど、
瞬時に悟ったのかもしれない。
それを知ってか知らずか私に話しかけてきた。
「大丈夫か？」
そう心配そうに俯く私の顔をのぞき込んだ。
その優しさにさっき止まったはずの涙が再び溢れ出した。
「あいつが別れようって…。振られちゃったあ」
そう泣く私に遥くんは、
「もう泣くな」
って、頭を撫でてくれたの。
それがずっとね頭から離れないの。
この時かな。
愛とか恋とか忘れかけてきた私に、もう一度大事なことを教えてくれたのは。
愛することの大切さ。
恋することの楽しさと切なさを。
きっと遥くんだ。
明るくて、バカで、バカうるさくて、
不器用だけどどこか優しい。
そんな遥くんに私はちょっとずつ惹かれてる。
間違いない。
たらしだって思われても、言われてもいい。
だってしょうがないじゃん。
好きになるなんて誰にも選べないことだ。