いつにもなく、真面目な顔をしてた。
さすがの私も声も出せなかった。
そのまま昼休みが終わった。
悶々としたまま午後の授業を受けた。
休み時間、親友のところへ走っていたの。そしたら、
「気にすんな！あんな奴のことは忘れて騒ご」
って言って抱きしめてくれたの。
今まで1人で抱え込んでた思いが全部込み上げてきて、涙が止まらなかった。
それを遠くで見ている彼の姿が見えたけど、気にしないことにした。
あんな奴のことは忘れる。
８か月間ずっと一緒に過ごしてきた人。
たくさん笑いあって、喧嘩して、仲直りして、怒って。
生徒指導をくらったのも1度や2度じゃない。
そんなお騒がせな2人も今日でおしまい。
ほんとに好きだったなあって。
失ってから気づいた。
最近の私は変だ。
遥くんのことを気になっていたり、彼のことをまだ忘れられなくなっていたり。
どっちつかずな私をこんなにも愛してくれた人。
ほんとにバカで、世に言うヤンキーで。
それでも、ちゃんと愛してくれて。
こんな形で終わっちゃったけど、あなたの恋人になれてよかった。
そう静かにほほえんだ。
今思えば彼と別れたのは何か一つの運命なのかもしれない。