病気に苦しむ原因が俺だと言うなら、その口で態度で突き放してくれればいいのに。
君は何故か優しく包み込むように、そんな雰囲気で俺を見つめる。
……嫌われてもいい、俺は君を知りたい。
「知ってる?私達……花咲き病の病が進行する一つの理由を」
「進行……する、原因?」
「うん。でも、それを言ったら私達、多分友達でいられなくなっちゃう」
どうして、その言葉を言う前に君は咲いたばかりのその菊を手折った。
そしてその菊を愛おしむようにして見つめ、俺の前に突き出してきた。
受け取るかどうか迷っていると、君が俺の手を取ってその花を持たせた。
「この花……大丈夫なの?」
「取ったとしても痛覚はないよ。不思議だよね」
そう言って再び歩き出す君の手を、今度は俺が取った。