慌てて追いかけるように大股で歩いて、君の隣を歩く。
いつもと少しだけ違う、そんな君に戸惑いを隠せなかった。
まだ友達としても君との距離は遠いのに、今の一言でまた遠くなるのは少し嫌だ。
こうやって声をかけて、一緒に帰れるようになったというのに。
「ずるいよ……」
俺の顔を見ようともしないで、君はそっぽを向いて呟いた。
何か気に触るようなことに触れてしまったのではないかと思うけど、なんて誤解を解こうかと言葉が詰まる。
「……私ね、普通の人が羨ましい」
一つため息を漏らしながら、呟く君に俺は何と声をかけていいのか分からずに、ただ君の声に耳を傾けた。