君の揺れるその花と、君の横顔を見て俺はこくんと一つ頷いた。
「不気味だなんて一回も思ったことない。……むしろ綺麗だと思う」
素直にそう言うと、君の花が一つ芽吹いた。
夕焼け色に染まっていく空と同じ色の、綺麗な花が、真っ赤な菊の花が咲き誇った。
ドクンと一つ心臓が跳ねたかと思えば、全身を駆け巡る血液が騒ぐ。
ああ……なんて美しくて、儚いんだろう。
こんな綺麗なものを、病だとは思えない。
むしろ、ずっと眺めていたい。
「白石さん……?」
そっと君の名前を呼ぶと、君は少しだけ早足になって俺を追い越した。