しばらく私はずっとベッドから動けなかった。

ただ点滴をしてもらって、飲む栄養剤とご飯も1口ずつ食べれる様になり看護師さんは安心していた。
なんかちょっと太ってきたなー。と思ってきた所だ。

「今日は先生の回診がありますので、私と一緒に診察室まで行きましょうね。」と看護師の飯田さんが言ってきた。

そして先生と部屋で2人きりになり話しをする事になった。
「綾瀬さん。こんにちは。とても良くなってきていますね。最初に顔を見た時、本当に辛い状態だったので僕も少し戸惑ってしまいました。」
と穏やかな声で心配そうに私に話しかけてきた。

私は先生の顔すらしっかり見てなかった事に気がついてまじまじと見てしまった。
なんていうか、優しさを絵に書いた様な人だった。
髪はパーマで黒髪、すらっとしたスタイルをしていて白衣姿がとても素敵な、俗に言うイケメンって感じだった。

でも私はそんな事はどうでもよかった。