そしていつもどうりの生活をおくっていると
奏汰さんが急に帰れないと連絡してきた。


私は心配になって「大丈夫?」と送ったが返事はなかった。

凄く心配だ。奏汰さんになにかあったのかな?

そして何日か経ってから奏汰さんが酷く疲れた顔で帰ってきた。

「すぐ行くから。」と言って黒いスーツを着て出ていってしまった。

奏汰さん……。


そして奏汰さんが夜遅くに帰ってきた。

線香の匂いをさせながら。

「奏汰さん……。もしかして患者さんが亡くなったんですか?」と言って奏汰さんの顔をみる。

奏汰さんは凄く苦しそうな顔で
「……救えなかった。俺……絶対守りたかったのに。」と言って泣いてしまった。

そんな奏汰さんが愛おしくて抱きしめた。
「奏汰さんはいつも優しいんですね。そんなふうに泣いてくれるだけで患者さんは救われます。ねぇ奏汰さん。いっぱい泣いていいからね。」と私は言って奏汰さんの頭を撫でた。

「姫愛……。」こんな奏汰さんを見るのは初めてだ。

奏汰さんは優しいからずっと頭から離れないんだろうな。私がなんとかしてあげなきゃ。

「落ち着いたらご飯にしましょう。お風呂も沸いてます。ゆっくり過ごしてください。奏汰さんにはまだ救わなきゃいけない人もたくさんいるんですから。そういう優しい奏汰さんの事みんな大好きなんです。だから苦しい時は頼ってください。」

奏汰さんはしばらく泣いていた。

その後なにも言わずご飯を食べてお風呂も入って寝てしまった。

しばらくは辛いだろう。こういう時こそ笑顔でいなきゃ。

私が奏汰さんを支えるって決めたから。