イルカショーに向かう最中にお土産コーナーがあった。

「姫愛はどのぬいぐるみが好き？」って奏汰さんが聞いてくるので「クラゲ。」と即答した。

「クラゲはないかもね。」と探してみると全然クラゲっぽくないクラゲのぬいぐるみがあった。

「これってクラゲなの？」と私が聞くと笑いながら奏汰さんが「ずいぶん丸っこいクラゲだね。」と言いながら買ってくれた。

嬉しい……のかな？これならイルカの方が可愛かったのに…。でもあのクラゲを思い出して…って無理かも。

そんなことを考えながら2人で仲良くイルカショーに行く。

前の席は親子連れいっぱいだったので真ん中くらいに座る。

そしてイルカショーを楽しんだ。

イルカって癒される。

なんで人間なんかに生まれてきてしまったんだろう。

やっぱり他の生き物の方がいいな。

そんな事を見透かした様に奏汰さんは微笑んでくる。

「姫愛もいつか生き物や自然を守れる様になれたら変わるよ。俺みたいに人を守るんでもいいし。とにかく生きる意味は結構あるんだ。だからゆっくり考えればいい。」
奏汰さんがそう言ってくれたので私も奏汰さんの事や家族の事を一生懸命守れる人になりたいと思った。


自分のやりたい事が出来る人って本当に凄いと思う。

そんな事を考えながら水族館を出た。

そして奏汰さんが「まずお昼ご飯に行ってから買い物をします。夜ご飯も外食ね。今日は姫愛といっぱい話したい。無理に話すことがないのに話す必要はないけど。もう少しその格好で居てほしいのもあるんだ。とても可愛いから。」と言ってきたので

「ありがとう。奏汰さんの格好も凄く素敵だよ。お昼ご飯はパンにしない？美味しいパンが食べたいんだけど。」と答えた。

「よし、じゃあ行こうか。」と言って奏汰さんが車を走らせた。