そして私は寝ている事の方が多くなり、トイレ以外では部屋を出なかった。

そして1週間が過ぎ、また先生の診察で呼ばれた。

「綾瀬さん。やっぱり人は怖いですか?」

「安定剤に頼らないとずっと怖くて…。」

「では朝の薬も増やしましょう。」

また先生はカルテに書きながら、もういいですよ。と言って私をあの部屋へ帰した。

もう嫌なのに……。

あぁ…今日の先生は、なんか冷たかったなー。
病室に戻りながらナースステーションを覗くと先生と看護師さんが真剣な顔で話していた。

私の顔を見ながら先生が飯田さんと私の事を言っている気がした。

そしてまた先生の事をじーっと見つめているとナースステーションから出る前にこっちをみて、にっこりとまたあの笑顔を見せた。

びっくりしたのか凄くドキドキする。

あれ?私どうしたんだろう?
先生の笑顔を見た時のドキッとした気持ちはなんだろう。

私は気持ちを隠すように部屋へと足早に帰った。