拓海さんに勝てる訳もなく、あうあうと口を動かし、それ以上何も言えないでいた。

拓海さんの話では、ご両親…特にお母様が喜んでるらしい。

「やっと娘が出来る!って張り切ってたよ。ほら、俺と弟だろ?女の子が欲しかったらしいんだ。息子の嫁さんと仲良くするのが夢だった、ってこの間言われたよ」

夢って…
大丈夫かな。拓海さんが連れてくる人だからって、期待膨らませてないだろうか。
がっかりされたら?

「気にしすぎだって」

下を向いた私の顎を掴んで、上を向かせた拓海さんと目が合った。

「そのままの朋香で大丈夫だから」

「ほんとに?」

「あぁ。心配ないから」

私は、拓海さんの胸に顔を埋めた。
そんな私を拓海さんは、優しく抱きしめてくれた。



私も…両親に話しとかなきゃ…

なんて言う?
結婚したい人が?
あってほしい人がいる?

拓海さんは、両親に会うのが緊張するって言ってたけれど、私的には両親よりも2人の兄の方がやっかいだと思う。
年が離れてるだけに、可愛がってくれた2人の兄。
上の兄が警察官、下の兄が消防士、よりにもよって体育会系…知ったらどうするだろう。

私はまた違う問題で頭を抱えた。