「だけど手を出したら
 アルトに怒られるからね~
 それはやめとくよ」


そういう問題なのか!?
アタシの気持ち的なのは無視っすか!?

その前に反省してるんすかねぇ…。


「それでまぁ
 オレの正体なんだけども」


そう言って
また椅子に腰掛け
話す気満々のご様子だ。


「“レオ”
今日その話するのはナシだ」


れ、れお…?

聞き慣れない名前を呼びながら
静か~に奥の部屋から現れた陽向さん。
さっきのアタシへの襲撃に
頭は冷えたんでしょうかね。
とても落ち着いております。


「でもアルト
 ちゃんと話したほうがいいって…」

「それは当たり前だレオ。
 だけど今日は帰って
日を改めて別の場所で話せ。
女の1人暮らしの部屋に男が何人も押し掛けて
更にこれ以上長居するのは良くない」


え、今更ですか。
しかも襲ってきた張本人がそれ言います?
早めに出て行ってもらいたいですが
真実も知りたいんすけど…。

それとこの場に煌月がいる事については
誰も疑問に思わないのだろうか。

今回の件に
1番関わっていないよね。