リビングに戻ったアタシだけど
吹雪さんはソファに腰掛けてスマホをいじり
煌月は険しい表情で壁に寄り掛かっている。


2人ともアタシ達が戻るのを待っていたのか
ずっとその場を離れなかったらしい。
こうやって見ると
大の男が3人も居座ってんだから
なんだか人口密度が高いぞ。

そういえば
どうして未だに煌月がいるの?

ってかいつの間にいたのさ。


「あ!セツナさん!
 もう平気?」

「え、えぇ…まぁ」


吹雪さんはスマホをいじるのをやめ
立ち上がってこっちに来ようとしたけど
さすがにちょっと警戒。

少し後ずさりして距離を置いた。

アナタの正体も含め
まだ頭ん中は若干混乱してるんでね。


「黙ってたのは本当にごめん。
 言うタイミングと順番を間違ってしまってね」


でしょうね。
ほぼ最初から全部間違っていますとも。


「でも本当に手を出してないから!
 ちょっと襲いたくもなったけど
 もう平気だから!」


おい、コラ。
襲う気はあったのかよ。

んでもって
なぜ煌月はずっと睨んでんのよ。
怖いって。
視線が痛すぎだって。