そんでもって
『体と心を休ませたい』と言った人が
何しようとしてんの。
休むどころか逆に心拍数が上がるって…。


「あー…ヤバイな。
 こうしてると
 あの時の感覚を思い出す…」

「へ?」

「お前とヤッてたときの…
 ここから見るその顔が
いつも以上に可愛くて
色気がありすぎて…
欲情する…」


よ、欲情!?
まさか今!?

…いや、こんな事になってれば
そうなるか…

って、感心してどうするよ。


「何度も言ってるけど
アタシ達、もう別れているんです…
だから…離れて」


アタシだって
思い出さないワケがない。
何度もこの光景を…
シながらキスするアナタの顔を
見てきたんだから。
その余裕のない表情を
1番近くで見てきたんだよ。


どうして思い出させんの…


「セツナ…
 …抱きたい…」


そう言いながらこの男は
アタシの首筋にキスを落としてくる。


「ま…って…」


否定してんのに
呑み込まれそうになる…

ダメなのに…
煌月達がまだいるのに…


・・・・って
そうじゃん!


「陽向…さんッ
 やめて…ッ」


理性を取り戻し
なんとか彼を押し退けた。